【アニメ】魔法少女まどか☆マギカ 感想

アメブロのころにやっていた作品レビューのつづきです。

魔法少女まどか☆マギカ(2011年、日本)
制作:シャフト
監督:新房昭之
脚本:虚淵玄
原案:蒼樹うめ


まだまだ論じられるほどアニメを観てもおらず、詳しくないのですが、すごくよかったです。
後々調べてみると、異なる分野で成功したクリエイターを取り揃えたオールスター的なスタッフの布陣だったそうです。かなり世間の評価も高く、2011年のネット流行語大賞では「僕と契約して、○○になってよ!」というキュゥべえのセリフが銅賞を獲得したくらい、一大旋風を巻き起こしたんだとか。

では、表層的な話はこれくらいにして個人的な感想を。
正直、最終回のふたつ前あたりから始まる、暁美ほむらのカミングアウト(?)は読めなかったです。意外でした。それまでは巴マミの死などによるいい意味の裏切り(つまり「起こってほしくない、でもストーリーがおもしろくなるだろう」という意味で期待に応える展開)がありました。それでも、なんだか訳がわからず読み進めていく小説のような感覚がありました。

おそらくそれは偏に、魔法少女という現実離れしたテーマだからという理由があるでしょう。じぶんたちの生活に根ざしていない、浮世離れしたものだから。でも、よくわからない“だけ”では飽きてしまいます。その飽きが来なかったのはやはり先述の「裏切り」がスパイスとなり、ストーリーのテンポをうまくつくっていたからなのだと思います。

でも、ラストの暁美ほむらの伏線回収は本当に、「そうだったのね、ほむらちゃん……!」と涙なしには観られないシーンだったと思います。超泣きました。

そしてこれ、かなり見るひとによって見方が変わってくる作品なんだろうなぁと感じています。「まどマギ 考察」などでググッていろいろ読んでいると訳がわからなくなってくるわけですが……。考察できるような見識も持ち合わせていませんが、唯一思うことを書きます。まどマギだけじゃなくて、一般的に言えることです。

小説でもアニメでも映画でも何でも、なにか作品をつくるときは必ずコンセプトやメッセージ性からスタートすると思います。もちろん「こういうストーリーあったらおもしろいな」という閃きはあると思いますが、基本的には確固たる軸があって、それに肉付けをしていき、最後にイラストやことばづかい、登場人物の華などの美しさの衣を羽織るわけです。これがつくる側の手順。

それに対して視聴者側は真逆の順番で作品を鑑賞します。すきな俳優・女優、声優が出ているから、バスケ漫画だから、○○がつくっているから。そういった「入り」でスタートします。そしてストーリーに魅せられていくうちに、メッセージ性を感じ取ることができる。言いたいことを汲み取りたくなる。

でもそれは核心の部分であり、つくった本人にしかわからないのです。だからいっぱい考察が為されていくんです。

そういった意味で、本作品は秀逸だったと思います。先述のように、見方によって如何様にも見えるからです。ストーリーは誰もが楽しめ、そしてメッセージの部分でいろんな議論が為されることで、さらに奥が深まる。そういう作品は本当に素晴らしい。「このセリフはこういう意図だったのではないか」「そんなの絶対おかしいよ」などと意見が分かれたりしていく。「遊び」を残すってすごいことなのではないでしょうか。

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