無修正は、好きですか

無修正は、好きですか?

無修正動画は、好きですか?
無修正画像は、好きですか?
無修正文章は、好きですか?

無修正なものは、好きですか?

勘のいい人ならお気付きかと思います。
どんなものでも、修正・編集されているのが普通で、そうでないものを悪だと考えるのはおかしいのだということに。

最近では「丸ごと愛する至上主義」が蔓延りすぎて、どうもそのへんが誤解されてる気がします。

お笑いが好きなので、お笑いファン(本人はお笑い評論家と自称している人)たちのツイートなどを拝読する機会がけっこうあります。フォローもしてます。そこでよく、彼らは『世界は数字でできている』について批判していることがあります。

「書き起こさないでほしい」「ああやって発言を切り取って……」と、ラジオでの発言をテキストベースで編集することに違和感を感じているようです。

いや、もちろん私自身、ラジオが大好きです。あの独特の雰囲気、「部室感」、あれはやっぱり実際に聴かないとわからないものだと思います。文字では伝わりきらないものもたくさんあるはずです。それに、悪質な編集はなくすべきだとは思います。

でも、『世界は数字でできている』の管理人は、きっと、ラジオもお笑いも大好きな方なんじゃないかな。

それに、あの編集、すごいと思いますよ。

ピックアップする能力もすごいし、ラジオ好きならわかると思いますが、ラジオってけっこう会話の切れ目がわかりづらいんですよね。それをあのブログはもうだいぶ昔からやってる。


……というか、極論を言えば、エンタメを愛する人にとって、エンタメをあーでもないこーでもないって言いながら楽しむっていうのが一番の醍醐味なんじゃないですか?

そのための導線・入り口として、『世界は数字でできている』はかなり貢献してると思いますよ。あのブログきっかけでラジオを聴こうと思った人も相当数いるはず。ああいった取っ掛かりやすいものから始まって、エンタメにどっぷり浸かるようになるって、けっこうあるパターンだと思うのですが。

そうしていくうちに、いつしかコアなファンになって、ダダ漏れの編集なしのものさえも楽しめるようになる。

あれですか?サブカル系クラスタ特有の「知るものぞ知る」というサンクチュアリを侵されたくないという感情ですか?バカバカしいですよ。



やっぱりなにかをおもしろいと感じるためには、わかりやすいストーリーが必要なわけで、そのためには編集・修正というのは当然の行為なわけです。

それなのに、やれ「事実をねじ曲げてる」だとか批判するのってバカげてるでしょ。そんなくだらないところで違和感を感じてんじゃないよ。


編集するっていうのはひとつ、世の中のより多くの人の心にきちんと届くように、素材を取捨選択するっていう部分が大きいんです。

だいたい、この情報過多の時代に、編集がなかったら、たぶんどれもないがしろにして楽しめないと思いますよ。

編集によってデフォルメされた意味付けも含めて、全部まとめてエンターテインメントです。

こちらからは以上です。

日経エンタテインメント! 2013年 01月号 [雑誌]