【映画/小説】告白 感想

告白(2010年、日本)
監督:中島哲也
主演:松たか子
原作:湊かなえ


遅ればせながら読みました。
ぼくは小説を先に読んだのですが、絶対これは小説を先に読んだほうがいいです。もっと言えば、映画のほうは観なくていいです。

「○○が映画化!」などと謳われているものは、原作からいくことをおすすめします。まず原作とのギャップがどうこうというのはもちろんですが、それ以上に、「じゃあ何故それが映画化されることになったのか?」ということです。つまり、多くのひとを感動の渦に巻き込んだから、映画化されることになったんです。だから、原作が秀逸なのは言わずもがななのです。

本作も例外ではなく、原作が本当によかったです。
調べてわかったのですが、どうやらはじめは第一章だけの読み切りだったそうです。そこから主要人物からの視点で描かれる章に続いていくわけです。パッケージ全体で見ると「この伏線がよかった」という話になってくるかも知れませんが、この背景を考えると、当然のことだったのでしょう。

本当に、文章のテンポがいい。メリハリがあって飽きないです。次から次へと展開されるというわけではなく、やはり各々から語られる告白、という形式が素晴らしかったなぁと思います。

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)


映画のほうも観たのですが、下村直樹の母親役(下村優子)は木村佳乃さんではなくて木村多江さんのほうが適役なのではと感じました(木村多江さんについてはこちらでも若干言及しています)。

そして、さっきあれほど「映画化されたほうは観るな!」という内容のことを言っておきながら(笑)、ここがおもしろかったというところを挙げておきます。

北原美月が倒されて渡辺修哉と向き合うシーン。

この形、ぼくには勾玉(まがたま)のように見えました。
勾玉とは陰陽、表裏一体を意味しています。これは原作の小説からは読み取ることのできなかった部分で、こういうところに映像化の良さはあるのだとも感じました。さすがは中島哲也監督!と思いました。

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